人工芝のピッチであるシャティバのホーム、カンプ・ムルタでの試合。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:イジャラメンディ、カゼミロ;ディマリア、イスコ、ヘセ
FW:モラタ
46分:アルベロア→マルセロ、55分:ディマリア→ベンゼマ、73分:イスコ→モドリッチ
予想通り控えメンバー主体の構成。キーパーはカシージャスとなった。
■シャティバの先発メンバー
GK:フランシス
DF:アルカサル、ぺピン、メンドーサ、ペリス
MF:リファテーラ、マルティネス;ナヘラ、マレンジャ、ベルダ
FW:ペルレス
66分:ペルレス→フランチ、76分:リファテーラ→バルケロ、80分:マレンジャ→ピファーレ
2部Bグループ3で20チーム中9位につけている。
ホームでは8試合8得点と、アウェイでの8試合10得点より少ない状況。
■マドリーのコパ初戦にはありがちな内容
スタジアムはほぼ満員。シャティバはホームの後押しもあって、90分を通しかなり良いプレーをしていた。
マドリー相手ということも、彼らのモチベーションを高めていたように思え、特に守備はきっちりリトリートしてブロックを作っており、マドリーは最後までそれを崩すことが出来なかった。
こうしたシャティバの善戦は称えられるべきだが、マドリーの出来はあまりにも悪かった。
結果として失点はなく守備はそれなりにやっていたが、前線の体たらくは酷いものだった。トップと2列目がボールを引き出さないし、ボールを持った選手と連動して崩すような動きもないので、一発狙いのロングボールやボールを持った選手の独力に頼る攻撃しか出来なかった。
ディマリアはモウリーニョ時代のアイデアの出せないプレーヤーに戻ってしまったかのようで、無理なドリブルを仕掛けたり淡白なクロスをあげたりするだけ。
イスコもボールを持てば狭い局面でさすがのプレーはあったものの、チームの攻撃を作るような貢献はほとんどできなかった。
ヘセ、モラタの若手コンビも揃って低調。こうした試合では、彼らのような選手にこそ空回りするくらいのモチベーションで臨んで欲しいのだが、悪い意味で落ち着いたプレーに終始してしまっていた。
スコアレスドローは、結果だけを考えれば悪いものではない。
しかしながら、普段控えの選手達が急増の先発メンバーながらも良い内容を見せたというものではなく、モチベーションが低いように見えるプレーで90分をただ終えただけ、というのでは悲しい。
確かに、この試合や第2戦で良いプレーをしたからといって、すぐにチーム内の序列を駆け上がれるわけではないだろう。だが、この試合だけ見れば、控えの選手達に野心が足りないように思われても仕方ない。
マドリーのコパ初戦は、アルコルコンに敗戦した例を挙げるまでもなく、こうしたゆるいプレーをしてしまい、自分の首を絞める傾向が強い。数年前からカスティージャのメンバーを招集することは珍しくなっており、実力的には何の問題もないはずのトップチームのメンバーがプレーしているのだから、なかなかないメンバーで臨むとはいえ第1戦で勝負を終わらせるくらいの力の差を見せてもらいたい。
せっかく主力を休ませるつもりで取っている策なのに、第1戦で手こずって第2戦で主力を投入するようなことになっては意味がないからだ。
第2戦も先発メンバーは少し落としてくることが予想される。主力抜きできっちり勝利をあげてもらいたい。