レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第4節 vデポルティーボ

マドリーにとって一番の鬼門と言って良いリアソールでのデポルティーボ戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;モドリッチ、ハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

59分:ベンゼマ→イジャラメンディ

ペペが召集リストから外れ、バランが先発。右サイドバックアルベロアが復帰。

デポルティーボの先発メンバー

GK:ルクス

DF:ラウレ、シジネイ、ディアキテ、ルイジーニョ

MF:ベルガンティーニョス、メドゥンジャニン;フアンフラン、ファリーニャ、クエンカ

FW:エウデル・ポスティガ

46分:フアンフラン→フアン・ドミンゲス、エウデル・ポスティガ→カバレイロ、74分:ファリーニャ→トチェ

プリメーラ再定着を目指すデポルティーボ。ここまで1勝1分1敗とまずまずのスタートとなっている。

■4-3-3を継続

CLバーゼル戦に引き続き、マドリーは変形しない4-3-3を継続。前線の3人は前に残ることが多く4-3で凌ぐことが求められる。

前に残るプレーヤーがいて、ブロックを作ってもサイドが空く形になっているので、下がって守ることの計算は立ちづらい。モドリッチ、ハメスも高い位置に進出していることが多く、ボールがあるサイドのサイドバックもエリア付近にいることがしばしば(マルセロは中央にいることさえ珍しいことではない)なので、バーゼル戦の記事でも触れたように、奪われた瞬間に密集した高いエリアで奪い返す方が効果は高い。

前半はプレーヤー間の距離が遠く、攻守ともに間延びしていたことが多かったので、そうした切り替えは見られず。そのため、これまでとあまり変わらないエリア周辺の攻めを繰り返すことになり、奪われた後の切り替えも素早く出来ていなかった。ロナウドが個人能力でヘディングを決め、先制できたことで雰囲気が良くなったが、それまでのマドリーのプレーは良いとは言えない状態だった。

ハメスのゴラッソとカウンターからロナウドがプレーを切らず落ち着いて決めた3点目で、先制までの良くない雰囲気が帳消しになったものの、奪われた後の切り替えが悪く、戻りながらの守備を強いられることが多かったこと、そのためボールポゼッションを回復する地点が低くなり攻撃の展開に時間を要するために前線を生かしきれていなかったことが改善されたわけではないことに注意したい。

プレッシャーのかけ方が速まるのはイジャラメンディが入ってから。

59分にベンゼマを下げ、ロナウドとベイルの2トップとし、4-4-2に形を変えたが、中盤にイジャラメンディが入ったことでプレスが速まった。

74分のベイルのゴールは、奪われた後高い位置で前を向かせない寄せから始まっており、この形の典型的な得点シーン。イジャラメンディが縦パスが入ったところに寄せ、パスミスを誘発。奪ったイスコがベイルにスルーパスを送り、ベイルが落ち着いて決めた。

相手のエリア付近で奪って短い時間でゴールに迫る良い形。

78分のロナウドのゴールも、ベイルがデポルティーボの最終ラインにプレスをかけ、ボールを奪ってロナウドへ。ロナウドのシュートの力と技術が光ったゴールではあったが、ベイルが追いかけたところからゴールが生まれている。

74分の時点で4-1となっており、試合の流れとして集中が切れた感があった状況であることは否めないが、こうした高い位置での守備とそこからの速い展開は理想的。4-3-3の形で前線からこれができれば、というゴールだった。

逆に言えば、これができないと守備はずっと穴を晒した状態になる。

4-3で守り切ることは現実的には難しく、前線の3人も含めた計算の立つ守備を作っていかないと、CLは間違いなくどこかで敗退してしまうだろう。

勝ち点3という結果も必要だし、8得点は出来すぎとしても攻撃面の改善は見られているので、今のところはこうした攻め合いを挑んでも良いだろうが、シーズン後半を見据えると、この形に守備の上積みをしなければならない。

■ハメスはどうなるか

攻守ともに扱いづらい状況だったハメスだが、バーゼル戦に続いて攻撃面では良い働きを見せてくれている。

リーガ初ゴールとなった2点目はアイデアのあるゴラッソだったし、エリア周辺でボールを触る回数が増えてきて、いろいろやれることがでてきている。やはり精密な上手さという感じはないが、崩しの場面で良いアクセントを作れていた印象。シュートもパスも見せられるのは彼の大きな長所だろう。

彼がこうしたプレーをできる位置に進出して、上に書いた守備の問題とどう整合性を取っていくのかが一番のポイント。守備のために低い位置に縛るのであれば、ハメスである必要はなくなってしまうし、彼が不参加では守備は成り立たない。

ディマリアのように走れるプレーヤーにしていくというのもひとつの解決策だが、現状においては、高い位置に留まれるよう、そうした位置での守備を整備していった方がいいだろう。

ハメス自身もコンディションの改善はあるものと思われ、徐々に走るようになってきている。

このまま思ったよりも早くチームにピースとして収まってくれるのか、もう少し時間がかかるのか。今後数試合、彼のプレーにはより注目していきたい。

■ベイル、チチャリート

ベイルはこの試合2ゴール。チチャリートと交代となったものの、裏への抜け出しで今シーズンリーガ初ゴールを含む2ゴールを挙げ、復活の兆しを見せた。

このところ、決定的な場面での仕事があまりできていなかったベイルだが、これで抜け出してくれれば。GKとの1対1を前半はミスしたものの、ゴールとなった2つのシーンは非常に落ち着いていた。

昨シーズンとは違い当初からプレシーズンに帯同しており、W杯もなくコンディション的には問題ないと思われるので、ここから取り戻していってもらいたい。

交代で入ったチチャリートも短い時間でマドリーでの初ゴールを記録した。

得点差があったこともあってできたであろう思い切ったシュートだったが、これで少しは落ち着けるだろう。

しばらくはこうした登場が続くと思われるが、とりあえず得点できたことで精神的には楽になるはず。試合が立て込んでいるので、出番は必ずある。今度はチームを助けるような場面での活躍を期待したい。

■バランスを見出すまで

終盤、さすがに緩んで2点目を奪われたものの、大勢に影響はなし。

8-2で大勝し、リーガでの連敗を2で止めた。マドリーにとって長く呪いのかかったスタジアムであったリアソールで大勝できたことで、今後このスタジアムが楽になるだろう。

今のところの4-3-3は攻撃の内容改善と結果を優先したような形となっているが、しばらくはこれで何とか凌ぎたい。

その中で、高い位置で奪い返すプレスか、リトリートして守れる形を作れれば、その時に今シーズンのバランスを見出したと言えるだろう。試合が立て込んでおりベストな状態で臨むことが難しくはなっていくが、アンチェロッティの手腕に期待したい。

次節はミッドウィーク。エルチェをベルナベウに迎える。