レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第5節 vエルチェ

ローテーションしながらのエルチェ戦。夏に休みが短かった分、こうした過密日程でもコンディションをうまく維持していきたいところ。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:イジャラメンディ、クロース;イスコ、ハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ロナウド

65分:カルバハル→アルベロア、78分:ハメス・ロドリゲス→チチャリート、82分:セルヒオ・ラモス→ナチョ

戦前の報道通りケイラー・ナバスが先発。最終ラインではカルバハルが帰ってきた。

イジャラメンディが先発でクロースと中央に入り、イスコとハメスがその前に。2トップはスピードのある2人となった。

■エルチェの先発メンバー

GK:マヌ・エレーラ

DF:シスマ、ペレグリン、ロンバン、アルバカル

MF:モスケラ、アドリアン・ゴンサレス;ガリー・ロドリゲス、コロ

FW:ビクトル・ロドリゲス、ジョナタス

60分:コロ→ファイサル、67分:アドリアン・ゴンサレス→パサリッチ、78分:ガリー・ロドリゲス→クリスティアン・エレーラ

セグンダでの優勝で昇格して来たエルチェ。昨シーズンセグンダでは圧倒的な成績を残したが、まずは残留を目標とし、プリメーラでどこまでやれるかというところだろう。

■イスコ、ハメス併用の4-4-2とイジャラメンディの出来

この試合でのマドリーの中盤は、守備時はイスコとハメスが両サイドをケアする4-4-2だったが、攻撃時は彼らが中央に絞るボックス型。サイド攻撃はサイドバックの攻撃参加と本来ウイングの2トップが適宜開くことで対応。形はともかく、皆やりたい位置でプレーできるようになっている配置と言ってもいいだろう。

エルチェは全員が自陣に下がって守ることもしばしばだったので、エリア付近でマドリーがボールを持つ時間が長く、サイドはほかのプレーヤーに任せ、イスコとハメスが危険な位置で多くボールに触ることができた。

彼らが中央でボールを持てば攻撃のリズムが変わる。

特にイスコはこれまで短い出場時間だったものの相変わらずの技術の高さを見せてくれ、狭いスペースの中でプレーできることを示した。最後のパスの精度と周囲との理解が高まってくればより結果に結びつくプレーヤーになるだろう。

両サイドからはサイドバックがクロスという場面が多かった。マドリーの場合、クロスは可能性としてはあまり高くならない攻撃なのだが、エルチェが跳ね返すだけに留まることが多く、ほとんどすぐにボールを回収できていた。最近クロスが増えている傾向にあるが、これだけ回収できれば跳ね返されても悪い印象はない。

マルセロからロナウドで得点に繋がったこともあり、リーガではひとまずこれで良いかと思う。

ただ、高いレベルになってきた時に、確率が低い攻撃で相手にボールを渡し、ボールが回収できなくなることは想定されるので、クロスだけでないサイド攻撃の工夫はこれから作っていってもらいたいところ。

こうした攻撃を下支えしたのは、主にイジャラメンディの守備面でのプレー。

この試合での彼は、求められているプレーを90分にわたって続け、マドリーの中盤を引き締めていた。

彼がボールホルダーにきちんと寄せるので、守備がうまく回るし、この試合ではその局面で奪い返せることがほとんど。これがあるのとないのとでは、中盤の守備機能が全く違う。クロース、モドリッチ、ハメスでは継続してイジャラメンディのような守備が期待できず、最終ラインが簡単に晒されたり、マークがずれて数的不利になってしまったりするリスクを常に抱えてしまう。

私はしばらくイジャラメンディに期待してきたが、この試合での内容であれば、期待通りかそれ以上の出来と言って良い。この試合ではローテーションでの起用と思われるが、アンチェロッティには今後彼を積極的に起用してもらいたい。

悪い時のマドリーであれば、エルチェが選択したようにきちんとリトリートしていればもっと手こずっただろうが、イジャラメンディを中心として奪われた後の守備がきちんとされていたので、奪った後に早く縦に繋ぐことが出来ず。結果としてエリア付近に張り付かざるを得ないこととなり、ずるずると失点を重ねることになった。

マドリーとしてみれば、奪われた後の両サイドは、イスコとハメスが開いてスペースを埋めるまでサイドバックのみ(またはサイドバックさえいない形)になっているので、ここを狙われると速攻への対処が難しくなるところだったが、それ以前にエルチェの攻撃の芽を摘むことに成功していたということ。

この対処ができている限りは大崩れはしないだろう。継続していってもらえればと思う。

■主役は・・・

14分、ロナウドがエリア内でクリアしようとしたところにモスケラが飛び込み接触。これがPKとなり、マドリーは先に失点。

20分にベイルのヘディングで追いついた後、28分はマルセロが倒されたとの判定で今度はマドリーにPK。ロナウドが決めて逆転したが、エルチェのPKとともに、穏やかな言葉で言えば”怪しげな”判定。

エルチェのPKも、それに値する接触かどうか非常に疑わしいが、マルセロがもらったファールはほとんど当たってさえいない。帳尻合わせの判定と考えざるを得ない判定で試合が動くこととなった。

32分に先述のマルセロのクロスからロナウドがヘディングで決め3-1とし、試合の流れとしてはほぼ決まったものの、それまでの得点のうち2つが主審クロス・ゴメスによって”作られた”ものなので、釈然としない。リーガの審判のレベルは相変わらずで、またその証明となる試合が1つ増えたということだろう。

マドリーは序盤にカードを貰っていたカルバハルを65分に下げアルベロアを投入する落ち着いた試合運び。

80分にチチャリート、82分にナチョと控えメンバーが出場。78分にロナウドが2つ目のPKを得て4-1とし、セルヒオ・ラモスをナチョに替える余裕を持って後半の試合を進めた。

ロスタイムにはうまくラインから抜け出したロナウドがベイルのパスを受け、落ち着いてキーパーとの1対1を制して4点目。既にリーガで9得点とものすごいペースで得点を重ね、今節も5-1と大勝。

得点機以外ぱっとしないベイルへはブーイングが飛んでいたが、チームとしては満足できる出来。守備の安定が攻撃の時間の増加に繋がって、得点を増やせており、良い時間を長く続けることができていた。

繰り返しになるが、これが継続していってもらいたい。CLに向けては更なる上積みが必要だが、まずこの試合での内容が続けられれば、今後の結果はかなり安定していくだろう。

■続けて行きたい

2試合続けて大量得点、この試合では守備の安定と、このところ良い材料が揃ってきている。

これが短期的なもので終わってしまうと意味がない。攻撃の迫力に加え、守備のバランスが少し見えそうなこの試合の結果をきっちり定着させていったもらいたい。

次節はビジャレアルとアウェイで対戦する。