レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第7節 vアスレティック

代表戦前のリーガ。中断となるが良い流れを保っていきたいところ。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;モドリッチハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

46分:セルヒオ・ラモス→バラン、74分:クロース→イジャラメンディ、80分:ベンゼマ→イスコ

ペペが先発復帰。中盤より前は今シーズンお馴染みの形。

アスレティックの先発メンバー

GK:イライソス

DF:デ・マルコス、ラポルテ、グルペギ、バレンシア

MF:イトゥラスペ、リコ;スサエタ、ベニャト、ムニアイン

FW:ギジェルモ

46分:ベニャト→イバイ、62分:スサエタ→ウナイ・ロペス、74分:ムニアイン→エチェイタ

CLに出場しているアスレティック。ヨーロッパの大会に出場しながらのリーガはELで慣れているだろう。

■新加入2人を組み込んだ理想的な形

この日のマドリーのメンバーは、新加入のクロース、ハメスを加えた形で、今シーズン何とかバランスを取るべく試行錯誤してきたもの。

攻撃的なプレーヤーが並んでいるのでボールは持てるのだが、奪われた後の対応は良くなく、ポゼッションの回復地点が低くなるので、攻撃もうまくいかないという悪循環が続いていた。高い位置で奪い返して連続した攻撃やショートカウンターをしたいのだが、後方からじっくり作るのでは相手にリトリートされてしまい、マドリーが苦手な遅い攻めで何とかしなければならなくなってしまう。

良くない日は手薄な人数で常に戻りながら守ることを強いられるようなこともあり、このメンバーで攻撃を支えるだけの守備ができるのか、という点に疑問があった。

そのため、昨シーズンはシャビ・アロンソがプレーしていたアンカーの位置に、クロースより守備の計算ができるイジャラメンディを置いて守備のバランスを取った方がいいのではないかと考えていたし、実際イジャラメンディが出場した試合はある程度守備が整っていた。

とはいえ、新加入のプレーヤーを組み込むことはクラブの要請であり、それをせずにイジャラメンディを使い続けることは実際のところ非常に困難だということは想像に難くない。そうした状況で、この試合ではこの構成でできる可能性があることを示したと言って良い。

攻撃時に4-3-3、守備時はハメスとベイルが両サイドに入る4-4-2になる昨シーズンの形を採ったこの試合では、高い位置で積極的に人数をかけてボールをとりに行く守備が見られた。

クロースが最前線まで飛び出して追いかけていたのは印象的で、これまでのようにポジションを維持していたのとは雰囲気が違った。2トップやベイルもきちんと相手を見ていたので、アスレティックのプレーヤーがボールを蹴りださざるを得ないことがしばしば。実際に前で奪えなくても、こういう結果になればほとんどの場合ボールを拾えるので、攻撃の手数は増えていく。ビジャレアル戦のボール支配率が53%であったのに対し、この試合では65%と、明らかな差が数字に表れている。

攻守の切り替えという面ではまだまだのところもあるし、奪いきるような連動性ある守備とはいえないものの、攻撃的なメンバーを並べた上でこうした積極的な守備ができれば、メリットは十分に受けられる。モドリッチやハメスが前線とうまく絡めるだけの距離感を維持してプレーすることはより簡単になるだろう。

逆に言えば、こうしたプレーができることがこの構成を維持するための条件ということになる。この試合の出来が一過性のものなのか、継続していけそうなものなのかは今後の試合で明らかになっていくだろう。

守備が計算できない状況に戻ってしまうのであればイジャラメンディを起用した方が良く、彼の起用も選択肢に入れながら新加入組を組み込んだ構成の出来を続けて見ていきたい。

■5得点

マドリーの先制は2分。ベイルとカルバハルのコンビで右サイドを突破し、カルバハルのところでこぼれたボールをベイルが右足でクロス。ファーでフリーになっていたロナウドがヘディングで決めた。

左利きだが、こうした場面で右足でクロスを上げられるのがベイルの良さ。

13分にカルバハルとベニャトが頭をぶつけ、双方とも治療。ベニャトはかなりの裂傷で出血していた。互いにプレーに復帰でき何よりの場面。こうした接触を恐れずハイボールを競りに行く姿勢は、前線で頑張ってロングボールを蹴らせようというプレーヤーにとってはありがたい。当たり前のことと言えば当たり前だが、こうしたプレーで追う元気が出るもの。

その点では、セルヒオ・ラモスのイエローは残念だった。彼のこうした腕の使い方は、ずっと以前からカードを出されてきたもの。うまく飛べば良いのだが、ファールになってしまうのはもったいないし、せっかく追い込んでもこうしたプレーでチャンスを与えてしまうとチームのリズムが悪くなる。

今から矯正できるかどうかはわからないが、カードを減らすためにもチームのリズムを保つためにも減らしたいプレーだ。

41分にコーナーからベンゼマがヘディングで決めて追加点。ベンゼマはこれが今シーズン2点目。得点よりもポストプレーを中心に周囲を生かすプレーで存在感を見せているが、とはいえフォワードなのでゴールという目に見える結果は大事。

守備は上述の通り積極的で、アスレティックにほとんど何もさせない展開で前半を終えた。

後半頭からカードを貰っていたセルヒオ・ラモスに替えてバラン。

ペペは復帰直後とは思えないほど安定してプレーをしており、対人守備はもちろん、ボールを持っても正確なキックで攻撃を支えていた。アンチェロッティがいうように、彼ら3人はうまく使っていきたい。ペペからバランへスムーズな世代交代を図る意味でも、余裕のある試合ではいろいろと試したいところだ。

55分、ベンゼマポストプレーからベイルへのスルーパス。抜け出したベイルがロナウドへラストパスを送り、きっちり決めて3-0。試合展開から言って、この時点で勝負あり。

ベンゼマのボールの収めと、半身になってのスルーパスは見事。彼のプレーで最速の2人がゴールに向かってプレーできた。

その後、69分にはロナウドからベンゼマへのプレゼントパスで4点目。最後はペペのパス(というには中途半端だったが)がロナウドにあたりコースが変わって5点目。幸運なゴールだったがロナウドはまたしてもハットトリックを達成。

ロナウドハットトリックは今シーズンの出来を考えれば驚きはないが、ベンゼマが2得点を挙げたのは大きな意味がある。得点以外の部分での彼のプレーがチームに欠かせないのは以前から書いている通りだが、フォワードとして得点も挙げられないと立場は厳しくなってしまう。ルドゴレツ戦に続いてきちんと決めたことで、彼を巡る報道も少しは静まることだろう。

アシストも素晴らしいが、自身でゴールすることがもっと普通のことになってくれればと思っている。

■続けていきたい

この試合は内容と結果が結びつく素晴らしいものだった。5得点を挙げるに足る正当なプレーだったと言っていいだろう。

これが続いていってくれれば、イジャラメンディを使う形と2つのパターンが作れることになる。そうなれば中盤のやり繰りはより容易になるので、これが単発で終わらないことを祈りたい。

代表戦をはさみ、次節はレバンテとアウェイで対戦する。ミッドウィークにはCLグループステージの山場であるリバプールとの連戦の初戦が控えており、息をつく暇もないが、うまくコンディション調整をしながら内容を高めていってもらいたい。