レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第8節 vレバンテ

代表戦明けのリーガ。明るいうちからの試合となった。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、ペペ、ナチョ、マルセロ

MF:クロース;モドリッチ、イスコ

FW:ハメス・ロドリゲス、チチャリートロナウド

67分:クロース→イジャラメンディ、72分:マルセロ→アルベロア、78分:モドリッチ→メドラン

ベンゼマ、バランが発熱、セルヒオ・ラモスも招集回避となっており、大幅にメンバー変更。ナチョがセントラルで先発し、センターフォワードチチャリートとなった。

ベイルがベンチスタートとなったため、ハメスがウイングとなりイスコが先発。

■レバンテの先発メンバー

GK:マリーニョ

DF:ペドロ・ロペス、ロダス、フアンフラン、イバン・ロペス

MF:ジョップ、カマラサ;ルベン・ガルシア、ガビラン、モラレス

FW:ビクトル

46分:ガビラン→ビクトル・ペレス、66分:ビクトル→バラル、74分:ルベン・ガルシア→チュメトラ

下位からの脱出を図りたいレバンテ。ここまでのホーム3試合で無得点9失点という厳しい状況。

■不安な立ち上がり

ボールを収められるベンゼマがいないことで、マドリーの攻撃が悪い方に変化することは想定された。得点力はずっと改善が必要でも、彼がマドリーで特別であるのは柔らかなポストプレーがあるから。これがあることで縦にボールが入るので組み立ては容易になるし、彼がためることで強力な2列目が前を向けることになる。

チチャリートはそういうタイプではなく、組み立てに絡む頻度も少ない。そのため、中央に基点が作れず、マドリーの攻撃はサイドへと向かいがちになってしまう。

もちろん、両サイドには単独で突破しうるプレーヤーがいるので、そうなっても何とかなる可能性はあるのだが、チームの形としてサイドに追いやられてしまうのは良い傾向ではない。

ベンゼマが不在で自動的にこうなってしまうのであれば、ベンゼマが外せないということであり、ベンゼマがいない時のために何らかの代替案を持っておいた方が良いということでもある。いつも通りにプレーしたのでは、サイドの個人能力に依存せざるをえず、相手がスペースをきちんと消せば非常に苦しい試合になってしまう。イスコの0トップが解決策になるかもしれないし、そこまでしなくてもハメスやイスコが近い距離でボールを動かせるように調整すべきかもしれない。いずれにせよ、中央でボールを持ち相手を崩せる形を作るための方策は必要だ。

マドリーが普段とは違うメンバー構成で苦労しそうな状況だったので、レバンテは下がってがっちり守ることで抵抗できそうではあった。

しばしばあるように、マドリーが相手の守備組織の前でしかボールを動かせないような展開になれば、レバンテとしては成功。時間が経てば焦れるし、セットプレーという弱点もある。レバンテとしては勝ち点を得るチャンスだった。

実際、マドリーはイスコやモドリッチが持ち上がってボールを運ぶことが多く、パスでの展開がうまく機能していなかった。クロースからサイドへの展開はあるが、攻撃のスピードをあげるものではなく、レバンテの守備が整った状態で攻めることがほとんどで、効果的とはいえなかった。

厳しい試合になるかと思われたが、12分、モドリッチ、ハメス、ロナウドのパス交換で時間を作り、チチャリートがハメスのパスに合わせて裏へ抜け出す。エリア内でフアンフランに倒されペナルティを得、ロナウドが珍しく危ういシュートながらも決めて先制に成功。

中央へ移動していたロナウドモドリッチ、ハメスの三角形でボールを動かしている間にラインと駆け引きして裏を狙うのは、まさにチチャリートの本領。ペナルティでのゴールとはなったが、彼を起用する長所が出た得点となった。

マドリーとしてはチチャリートがいればこれを狙いたいところで、レバンテは作らせてはいけない形で失点。

早い時間に先制できたことで、チームはかなり落ち着けた。

ナチョのミスで慌てる場面もあったが、レバンテの攻撃はほとんど問題なく抑えられていた。守備の際の中盤はハメス、モドリッチ、クロース、イスコとなっていたが、レバンテの攻撃でばたつくことはなかった。どちらかと言えば、序盤に多かったような自らのパスミスで早い攻撃を受けそうになることが多く、自分達がしっかりすれば数は減らせる類のもの。守備の問題というよりも攻撃の終わり方の問題と言った方がいいだろう。

38分にはコーナーの流れからチチャリートがヘディングで追加点を挙げ、不安な雰囲気は完全に消えた。

前半を2-0で終了したが、攻撃の質から考えれば幸運と言っても良いようなリード。マドリーとしてはチチャリートが一発で仕事をしてくれた先制点が非常に大きかった。

■楽な後半

前半のうちに2点差となったことで、後半はかなり楽な展開に。

レバンテは全員での守備を継続していたが、マドリーは無理をする必要がないので、落ち着いてボールを動かしていた。プレーが緩んでいたのは気になるが、やむを得ない状況ではあろう。

60分にレバンテの攻撃の場面からイスコがボールを奪い、ファールを受けながらも前進してロナウドへ。

ロナウドが左サイドから2人をかわしてエリアに進入し、ゴール。いとも簡単にディフェンダーを抜いていき、リーガ15得点目。シーズンの記録であってもある程度のレベルであれば賞賛されるゴール数だが、まだ8節だ。このペースはどこまで続くのだろうか。

倒れずにカウンターにつなげたイスコも良かった。このプレーに限らず、イスコは中盤で技術を生かしながら良いプレーを続けていた。守備的に負荷がかかる場面は多くなかったので厳しい試合とは別物ではあるが、このようなプレーを続けていってくれれば。

65分にはクロースから裏へ走ったハメスへ浮き球のパス。胸トラップからのボレーを決めて4-0とし、完全に試合を決めた。

相手陣内でまったくプレッシャーを受けなければさすがにこのくらいのパスは出せる、というようなクロースのパス。レバンテの守備は下がるだけで機能していなかった。

スペースがある状態で攻められることも増え、オープンになっていったが、失点や負傷がなかったので結果としては良かった。

こうした試合で失点してしまうか、とにもかくにも0で終わるかはチームの雰囲気として非常に大事。前線はそれぞれ得点して気分良く終えられても、後方のプレーヤーが落胆してしまっていては後に響く。代表戦明けでもあり、今後リバプール戦、バルセロナ戦と続くこともあるので、チーム全体として弾みがつく試合となった。

81分には中盤で頑張っていたイスコもゴールを挙げ、5-0として試合終了。

最初の不安感からすれば願ってもない大差での勝利。全体の内容としては今一歩の感が拭えないが、チチャリートが2つ彼らしい仕事をして流れを持ってきてくれた。

本来の形でなくても勝ちきることはリーグ戦を戦う上で欠かせず、難しいタイミングの試合を良く勝ったというべきだろう。

あとは、ベンゼマがいない試合を出来るだけ少なくするということを前提としつつ、出場停止や負傷などで彼を欠く試合で、どう攻撃を作っていくか。この試合の1点目のような形を多く生み出せるようにしていきたいところだ。

ベンゼマがいる場合とは全く違う狙いになり対応は難しいが、こうしたチーム構成である以上、何とかある程度のレベルに持っていき、取りこぼしを減らすべく改善してもらいたい。

■序盤の山場へ

ミッドウィークにはアウェイでCLリバプール戦、週末はバルセロナ戦が控えている。

CLは1位突破を目指すために最低でも引き分けたいところで、バルセロナ戦に関してはベルナベウでの試合でもあり、リーガの状況を考えると勝ちたいところ。

大きな試合が続くのが悩ましいが、良い結果を期待したい。