レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント1回戦第1戦 vローマ

久しぶりに大きな試合。今シーズンはここまで監督交代などいろいろなことが起こっているが、CLではどこまでいけるか。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:モドリッチ、クロース;イスコ

FW:ハメス・ロドリゲス、ベンゼマロナウド

64分:イスコ→コバチッチ、82分:ハメス・ロドリゲス→ヘセ、89分:ロナウド→カゼミロ

負傷していたマルセロがいきなり先発。

■ローマの先発メンバー

GK:シュチェスにー

DF:フロレンツィ、リュディガー、マノラス、ディーニュ

MF:バンクール;ナインゴラン、ピャニッチ;サラー、エル・シャーラウィ

FW:ペロッティ

63分:エル・シャーラウィ→ジェコ、77分:バンクール→デ・ロッシ、86分:フロレンツィ→トッティ

こちらも監督交代があったローマ。セリエでは調子を取り戻しているようである。

■ローマの守備が成功

ローマはエル・シャーラウィとサラーの両翼と中央にペロッティ。ただ、ペロッティは中盤に組み込まれる位置まで下がっていることが多く、高い位置を取るのはまず両翼だった。

守る時は4-6-0となって中盤を厚くし、2つのラインを維持してブロックを作り、ボールを奪ったら両翼のスピードを生かし、サイドから相手人に侵入していくことを意図していた。

ローマが待ち構えていたことから、前半からマドリーはボールを持つ展開となり60%の支配率。しかし、ローマの守備がしっかりしており、楔を打ち込むことができないまま。守備の周囲をボールが動くだけとなっていた。

マドリーが得意とする左で繋いでクロースやラモスから右へ展開する形もほとんど見られず。マルセロが復帰した左サイドでボールを細かく回すことはできていたものの、そこからの展開をローマが丁寧に阻害していた。また、マドリーの側もこのレベルでは問題なくやって欲しいプレーでのミスが散見され、良いリズムでプレーすることができておらず、ローマの守備を崩すような形を作れていなかった。

サイドを広く使って、最後はカルバハルのクロスから仕留める形はジダン監督となって以降何度も見られた得意の形だが、ローマの守備が両サイドをしっかり抑え、ブロックを作りつつ要所ではプレッシャーをかけて行くことで、まったくやらせてもらえていなかった。

ローマはボールを奪うと両サイドへ。特にサラーはスピードを生かして良いプレーを続けていた。マルセロでは並走から突破されることも多かったので、途中からはセルヒオ・ラモスを積極的に助けに行かせ、ようやく蓋をすることに。

エル・シャーラウィはラインと勝負することが主。後方のプレーヤーは低い位置からでも動きを見ており、良いボールを供給していた。

マドリーはボールを持っても守備組織を崩すことができず、前半はローマにうまく守られた。このあたりを打開する術を持てるかどうかが今後のチームの成功の鍵となりそう。

ローマはスピードを生かした突破に集中。やり方を固定したことで判断がしやすくなり、集中してプレーできていた。当然ながらもともと地力はあるチームが、あれもこれもと欲張らず、可能性のあるところに集中したことで、マドリーはやりづらくなった。

前半、マドリーはチャンスらしいチャンスをほとんど作れず、スコアレスで終えた。

■第2戦も見据えた変化

後半に入ると、少しずつ状況が変わっていく。

マドリーはアウェイゴールを奪えれば良いが、かといって無理する必要はなく、仮にスコアレスで終えてもこのところ調子の良いベルナベウで決着を付けられるという余裕がある。

逆にローマは、ベルナベウでの第2戦を考えると半歩でもリードしておきたい。アウェイゴールは怖いが、スコアレスも嬉しい結果ではないといったところ。

そうしたことから、ローマが少しずつ攻撃に人を割くようになっていった。前半同様両サイドに怖さはあるが、押し込んでも得るものがなかったマドリーとしてもスペースが生まれるので都合が良い。攻撃面ではやりやすくなっていった。

エル・シャーラウィがカルバハルの裏に抜け出した場面など、形としてはローマが多く作っていてあと一歩の印象もあったが、最後のところはマドリーも締めていて、ナバスがラインの裏のスペースをうまく処理していた。

先制はマドリー。57分、クロースが左のマルセロへ浮き球のパス。前を向いたタイミングでロナウドがフロレンツィの外側へ斜めに走り、マルセロからスルーパス

左サイドから入っていき、足の後ろを通す切り返しでコースを確保。少し遅れたフロレンツィも距離を詰めて足を出したが、その足に僅かに当たったシュートがシュチェスニーの上を越す軌道となり、ファーサイドへ決まった。

何度もサイドでスピード勝負をしていたのはローマだったが、マドリーはロナウドが一発で決め、貴重なアウェイゴールを挙げた。

その後はマドリーの時間帯。前半に比べ、ラインの間でボールを受けることが多くできるようになり、ベンゼマ、イスコが彼ららしいプレーをできるようになっていった。また、無理に攻める必要もなくなったため、プレーの判断もシンプルに。仕掛けるところは仕掛け、難しければすぐに作り直すようになり、良くボールを動かすようになった。

点が欲しいローマはエル・シャーラウィをジェコに。前線の基点を作る意図。マドリーはイスコに替えてより高い位置でプレーできるコバチッチを投入。

ジェコが入ったことで、ポストプレー、サイドからのクロスに可能性を見出せるようになったローマが流れを取り戻すと、サラーのシュートや

、ジェコのポストプレーからのバンクールのミドルなど、前半の速い攻めとは違い、アタッキングサードに人数をかけて攻める形で良い場面を作っていた。

マドリーは得意のカウンターで対抗。コバチッチがボールを持ち上がり、前線を使えればというところだが、前に出てプレーするようになったローマに対応し切れていない印象も。仕掛けようとするところで奪われ、ピンチを迎えることが何度かあった。

ローマはバンクールをデ・ロッシに替え、デ・ロッシをセンターバックに、リュディガーを右サイドバックとし、フロレンツィを前線に出して勝負に出た。

こうしてあれこれ形を変えていくのは、スパレッティのチームらしい。アウェイゴールとなるリードを得ていたからある程度余裕を持っていられたが、スコアレスで変形しながらスタイルを変えられていくと守備の負担はなかなか大きいだろう。攻めあぐねていた前半の出来を考えても、重要なゴールとなったと言える。

マドリーはハメスに替えてヘセ。ハメスは決定的な仕事こそなかったが落ち着いてプレー。守備面でもよく走っていた。スピードのあるへセでサイドのケアとカウンターを意図。

すると86分、ヘセが自陣からドリブルを開始すると、ローマのディフェンスは取りにいけず。ずるずると下がってしまい、エリアまで入ると、股を抜いてファーに蹴り込むシュートが決まり、2-0とした。

少しサイドに開いてファーへのコースを作り股を抜くヘセらしいシュート技術で2つ目のアウェイゴール。この試合の勝負をつけるとともに、第2戦に向けても非常に大きなリードとなった。

ディフェンスとしては人数も揃っていただけに悔やまれるゴール。カードも覚悟して早めに潰してしまえば2点目はなかっただろう。

もっと言えば、その前のプレーでサラーがセルヒオ・ラモスを抜いたのに、手を出されたので一瞬プレーを止める素振りを見せてしまったことでファールを流してもらえず、フリーキックになったところからの流れ。フリーキックはチャンスにさえならず、ヘセのカウンターを招くこととなった。

結果論ではあるが、ローマとしてはもったいない選択が続いた結末として痛すぎる失点を喫することになってしまった。

ローマはトッティを投入するが時間は短すぎた。マドリーはロナウドをカゼミロに替える余裕を持って試合を締めくくり、2-0で勝利した。

■今後に向けて

2点目を得たことで、ベルナベウではやりやすくなった。ローマはこの試合同様じっくりはしていられないだろうから、その裏をきっちりついていきたい。

課題としては、前半のような攻めあぐねる展開をどう解決するか。CLレベルのクラブに対しては、リーガと同じスピードではサイドへの展開にも対応されてしまう。右サイドでカルバハルやハメス、ベイルが拾いスペースを享受することは困難だ。

狭いスペースの突破は長年の課題であり、それに特化したバルセロナのような形がなければどうしても難しくならざるを得ない。であれば、後半のように少し相手を引き出させる流れをコントロールし、裏にスペースを作ることも解決策のひとつになる。そのためには相手の攻めを受け止めて速攻に繋げる守備が必要になるので、全員が少なくともある程度計算できる守備をしてくれなければならない。

崩しにこだわるのか、あるいは守備に走らせることで攻撃を生かすのか。ジダンがどういう選択をするかに注目していきたい。

週末のリーガは第25節、マラガとアウェイで対戦する。