レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第7節 vエイバル

日差しの強い日中の試合。日本で見る我々にとっては良い時間だったが、見ているのが辛い内容となってしまった。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ペペ、バラン、ダニーロ

MF:クロース;コバチッチ、イスコ

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

46分:バラン→ナチョ、ベンゼマ→モラタ、72分:イスコ→アセンシオ

ハメスが先発と発表されていたが、アップ中に負傷。コバチッチが先発となった。左サイドはダニーロ。続けて使われている。

■エイバルの先発メンバー

GK:リエス

DF:カパ、マウロ・ドス・サントス、レジューヌ、ルナ

MF:エスカランテ;ダニ・ガルシア、フラン・リコ

FW:ペドロ・レオン、セルジ・エンリク、ペーニャ

77分:セルジ・エンリク→キケ、87分:ペーニャ→べべ、89分:ペドロ・レオン→アドリアン

中位につけているエイバル。士気は高そう。

■守備は予想通り、攻撃も改善なし

見るからに守れなさそうな中盤と前線。切ないことに、その予想は外れない。ドルトムント戦よりも前線の守備意識が希薄で、方向が限定されないエイバルの攻めを、守備が不得手な中盤が処理することは難しかった。

人はいるのだが、カバーがされるような形ではないため、ボールにチャレンジできない。そうなると、最終ラインとともにエリア付近で受け止めざるを得なくなってしまう。これではポゼッションの回復位置が低くなってしまうし、だからカウンターは狙えない。

遅攻はどうかというと、ボールを受けてタメを作ってほしいベンゼマの存在感が皆無。サイドに流れては受けていたものの回数が少なく、中央での効果的な受け方は一度もなかった。楔のボールが入らなければ、相手の守備陣形を崩すのは難しい。

守備のズレを作れないので、サイドからの突破にかけることになるが、これだと高い個人能力があっても、複数の相手を前に各個でプレーするしかないので、多くのチャンスを作る確率は下がってしまうことになる。

守備では速い攻撃に繋げられず、ポゼッションしても連動した形を作れないとなっては、メンバーだけはいかに攻撃的であろうと良い内容の試合にはならない。

しかも、そうであるのにエイバルに開始5分で先制され、守備を徹底されてはどうにもならない。攻撃がうまく行かないのはわかっていたので、いきなりの失点はなんとしても避けなければならなかった。

気になるのは、ドルトムント戦に続きクロスに対して中央のマークが緩んでいること。特にファーでは明らかにずれが生じており、ドルトムント戦ではシュールレを完全にフリーにしてしまったし、この試合でも失点場面以外でファーのマーキングが危なっかしい場面がいくつかあった。

攻撃が手詰まりになってしまうのは今に始まったことではないのだから、守備は我慢しなければならない。中盤の守備が機能しないにせよ、クロスに対する守備は、まずは最終ラインの仕事。こうも簡単にフリーを作られるようでは辛い。

マドリーは18分にベイルのヘディングで追いつく。左サイドでロナウドが独力で相手をはがしクロスのコースを作り、右のベイルが入り込んで競り勝つという、彼らだからできるゴール。

逆に言えば、マドリーにはこの形しかなかった。追いついたものの、その後はいいところなし。ダニーロのクロスにベンゼマが詰め損ねた場面があったくらいで、それもシュートはあさっての方向へ。ボールを持たされて何もできない状況に、ベルナベウは容赦ないブーイングに包まれた。

■後半も変わらず

後半開始からベンゼマとバランに替えてモラタとナチョ。モウリーニョなら3枚替えてしまっていたことだろうが、2枚替えも強いメッセーじジ。負傷もあって、思い切って目に見える形でカードを切った。

それでも雰囲気がなんら変わらないのが今のマドリー。

攻撃の形は見えてくることがなく、守備の改善ができるプレーヤーがいないのでボールの奪い方も良くならなかった。

中盤ではコバチッチが奮闘していたが、イスコがそれをかき消す大ブレーキ。

低い位置でボールを持っては相手に囲まれ奪われることを繰り返していたし、裏に抜け出してパスを受けた場面ではまさかのターン。判断があまりにも悪く、しかも技術がついてきていない。

例えば、モドリッチも低い位置で相手に寄せられることがあり、それはリスクを考えれば判断としては危なっかしいものなのだが、彼の場合はそこからかわす技術が高い水準で安定しているので、だいたいかわすし、最悪でもマイボールのスローインくらいにはなる。

逆に、囲まれそうなところではさっさとボールを手放してしまう判断の速さで打開することもありで、判断か技術の両方あれば一番いいし、最低限どちらかは一定のレベルにあってほしいもの。

それが、今のイスコにはどちらもない。出場時間が少なく試合勘に欠けるということはあるにせよ、起用しづらい状況であることは明らかになった。

そのイスコを70分過ぎまで我慢し、最後の交代はアセンシオ。だが、この苦境の打開を20歳、トップチーム最初のシーズンとなる彼に任せるのはあまりにも酷。

チャンスの数は増えず、数少ない良い場面でもシュートは枠を捉えなかった。シュートに関しては悪い時はそうしたもの。リズムが良ければ思い切ってシュートできるので、その結果良いボールがいいコースに飛ぶのだが、貴重なチャンスと思ってプレーするとどうしても固くなりがち。

後半は見せ場なく、終盤はエイバルにうまく時間を使われパワープレーもほとんどできないままに試合終了。公式戦4試合連続の引き分けとなった。

■最後に少し

ドルトムント戦では、アウェイにも拘らずある程度は良いプレーをしての引き分けで、光があった。それに対し、この試合は勝つべき相手に対し不用意な失点、手詰まりの攻撃、攻撃に繋がらない守備と、現状の悪いところが軒並み現れて、勝ち点を失ったという意味合いが強い。

批判を収める試合になるどころか、ベルナベウで火に油を注ぐ結果。ジダンの進退も含めた話がちらほら出てきそうな状況になってしまった。代表戦の期間を利用して、ジダンの現状をまとめておくことにしたいと思う。

次節も代表戦明けで苦しいタイミング。いきなりの好転は難しくとも、一息つける勝利に向けて粘り強く戦って欲しい。