レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第3節 vシャフタール

今シーズン初めて勝ち点を落としたオサスナ戦を経てのCL。

しっかり勝って、ここまでの流れをキープした。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:ルニン

DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ

MF:バルベルデ、チュアメニ、クロース、ビニシウス

FW:ベンゼマロドリゴ

 

75分:チュアメニ→カマビンガ、80分:ロドリゴ→アセンシオ

 

クルトワ坐骨神経痛バルセロナ戦までは無理させない方針とのこと。

ルニンが出番を得ている。

前線の表記は悩んだが、4-4-2とした。

 

シャフタールの先発メンバー

GK:トゥルービン

DF:コノプリャ、ボンダル、マトヴィエンコ、ミハイリチェンコ

MF:ステパネンコ;シュベド、ボンダレンコ、スダコフ、ムドリク

FW:ズブコフ

 

67分:シュベド→ペトリャク、ズブコフ→シカン、88分:スダコフ→ジュラシェク、ステパネンコ→トラオレ

 

母国が戦渦に巻き込まれており大変な状況であるが、CLでウクライナの雄たるところを示している。

 

苦戦要素満載のオサスナ

ベンゼマが負傷から帰ってきたオサスナ戦。久しぶりの引き分けという結果でさざ波が立ってしまった。

離脱中に勝ち点を落とさずに済んだ一方やりくりは苦しく、ベンゼマが帰ってくれば!との期待が妙に高まってしまい、「こんなものだったっけ?」という印象になってしまった感がある。

 

しかし、今シーズンこれまでも見られた5バックに対する苦戦が示すように、下がって守られると苦しい試合になるのはベンゼマが万全であっても変わらない課題だ。

負傷明け早々では彼自身のアジャストも必要だし、しかも代表戦明けでその他のプレーヤーの状態も悪くてはやむを得ない結果だったように思う。

苦戦する要素が多く揃っていた試合であったというしかない。

 

こうした事情であったから、オサスナ戦の結果のみを理由としてアンチェロッティがシステムを弄ったとは思っていない。

コンディションが悪い時にどう点を取るかというテーマは長年のもので重たい。

それが改めて示されたのがオサスナ戦であり、シャフタール戦の形はその回答案の1つと捉えるくらいが良いのではないだろうか。

 

今節の4-4-2について

シャフタール戦の前線はベンゼマロドリゴの2トップにビニシウスとバルベルデの両翼であるから、普段より枚数がそもそも多い。

エストレーモではないので、ロドリゴベンゼマがポストに下りた後ろを突いたり近い距離でパス交換したりして、中央に留まっていた。

そこにビニシウスも左から斜めに入ってくる。ベンゼマが前を向けた時、彼ら2人が周辺でサポートと仕掛けをしてきて、中央を打開しようとする形。シャフタールは非常に守りづらそうであった。

 

そこにボールを届けるのが中央にも入っていくバルベルデと、チュアメニ、クロースの中盤コンビ。

クロースがやや後方から支え、その前でチュアメニとバルベルデが動いていることがしばしば。

だからボールを持った時は4-1-2-3の配置に近い。ただし、3トップが幅を取っておらず、インテリオールも中央から離れないから、前の幅は非常に狭い構成である。

普段は両サイドに振ってずれを生み出す狙いだが、この形はゴールに直結する位置である中央に火力を集中することによって守備ブロックを打開することを狙っている。

 

中央突破を狙う構成は近年のマドリーではあまり見られなかった。

サイドチェンジを担えるクロースの存在の大きさもあって、中盤の3枚は代えがたかったこともその要因の一つであろう。

チュアメニ、バルベルデらの台頭によって世代交代を見据えた中盤の変化を考えられるようになったことで、このようにこれまでとは狙いが異なる構成ができるようになったのだった。

 

特長が生きた2点

マドリーの2点はどちらもこの構成の強みが出てのもの。

 

13分、チュアメニの縦パスを受けたロドリゴベンゼマへパスしようとしたところをカットされたが、こぼれ球を拾ってシュート。トゥルービンの手を弾いて決まった。

28分の2点目もチュアメニの縦パスから。ベンゼマバルベルデロドリゴとつないで、最後はラインを破ったビニシウスが落ち着いて蹴り込んだ。

 

前線の3人が中央の近い距離を保っていたからこその形。

先制点の場面こそ相手に触られたボールからのミドルシュートではあったが、2点目のようにビニシウスがラインを破る動きをしており、再現性があったプレーだ。中央での選択肢が多い特長が出ている。

 

彼らのすぐ後ろにいたチュアメニのパス能力も忘れてはならない。

チュアメニが縦に入れられるので、ボールを奪ってすぐバイタルエリアにボールを送り込む速さが生まれていた。

これはカゼミロでは考えられなかった点だ。チュアメニによってもたらされた大きなメリットの一つである。

 

問題は右サイド

この構成の問題は右サイドの守備。

左はビニシウスかロドリゴが埋めていて、遅れることはあったものの2人は置くことができていたのだが、右はバルベルデが中央に進出した後を埋める人がいなかった。

カルバハルが一人でカバーせざるを得ないエリアが広すぎて、ワンオペでは対応しきれない。

 

39分のズブコフのゴールは、まさにこの右サイドのスペースを使われてのもの。

確かにシュートは素晴らしかったが、全部フリーでやられていて、マドリーの問題が露わになったシーンだった。

 

こうならないために、ボールロストした直後に狭い局面のうちに奪い返すプレス、そこから逃れても曖昧なボールではやらせないチュアメニとバルベルデのカバーの2つのフィルターが用意されていた。

攻撃のためにバランスを崩す構成だから、密集したところで守備もやり切ってしまえるのが理想で、前半はそれがうまくいっていた。

 

2-0でリラックスしていた(強度を下げていた)が、ハーフタイムにはモーニングコールをした。とアンチェロッティは試合後に述べていた。

 

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1点差では事故が起こる恐れがある。

これまでの形であればまだ安心できたが、このように守備に穴があるのが明らかな形ではそうもいかない。守備時の強度を保つべきと捉えたのであろう。

 

ゴラッソで1点差とされてしまったので、こうした指示となるのはやむを得なかったものの、構成から考えると大量得点で早い時間に試合を終わらせてしまう方がマドリーには向いていたように思われる。

実際チャンスは多かった。決め切れなかったことで1点差の試合としてしまい、守備の引き締めを考えざるを得なくなった感がある。

 

彼我の力量差を考えても、中央の火力を生かして3点4点と取ってしまえる前半だったから、2点しか決められなかったのは残念。

ベンゼマは決まらない日で、復帰後調子を掴めそうな内容だっただけに数字がついてこなかったのはもったいなかった。

 

最後に

モドリッチを温存し、2-1で逃げ切れたのは嬉しい。

これまでの起用を見ると、中盤のローテーションはある程度可能となっていると見てよく、ベテラン勢のコンディションを維持しつつ進んでいけそうだ。

 

この4-4-2は、ビッグクラブとは使えないかもしれないが、先述の通りリーガで苦戦するパターンであるスモールクラブに引きこもられるであろう試合で生きるのではないだろうか。

ベンゼマがいない時にロドリゴとアセンシオとかアザールあたりが組めれば、彼らの戦力化もまだわずかに期待が持てる。

 

CL第4節はアウェイで再びシャフタールと。

ウクライナに赴くことはできず、ポーランド開催が予定されている。