レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ラ・リーガ第13節 vラージョ

ラージョがやりたいことを90分やられた。完敗。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ

MF:チュアメニ;モドリッチバルベルデ

FW:アセンシオ、ロドリゴ、ビニシウス

 

69分:チュアメニ→カマビンガ、79分:モドリッチ→マリアーノ、85分:メンディ→ナチョ、カルバハル→ルーカス・バスケス

 

ベンゼマ待ちが続く前線。ロドリゴがとりあえずの選択肢としては機能しているものの…

 

■ラージョの先発メンバー

GK:ディミトリエフスキ

DF:バリウ、レジュネ、カテナ、フラン・ガルシア

MF:コメサーニャバレンティン;イシ、トレホ、アルバロ・ガルシア

FW:カメージョ

 

71分:トレホ→ウナイ・ロペス、79分:コメサーニャ→シス、88分:カメージョ→ファルカオ、アルバロ・ガルシア→サルビ・サンチェス、イシ→チャバリア

 

中位は混戦模様ながら、トップ10を維持している。ホームで強い。

 

らしいラージョに力負け

近年のラージョにはコンタクトを厭わないハードな守備で苦しめられてきた。

彼らのホームは狭いので、ポゼッションさせられて厳しい攻撃を強いられることになるのである。

 

今節はそれに加えて、クロースの出場停止が重くのしかかった。

 

最近の彼は最終ラインで狭いスペースの崩しを目指したり、縦に楔を入れたりするプレーが目立っていて、大きなサイドチェンジは以前ほど多用しなくなっている印象であった。

これはカゼミロの退団とチュアメニの加入による変化なのであろう。

カゼミロを回避して組み立てる必要がなくなり、より足元の技術があるチュアメニが加わったことで、低い位置に相手を呼び込んではがすプレーができるようになった。

これができるとその後は速攻できるので、手数をかけるサイドチェンジの必要性は下がっていたものと考えられる。

 

とはいえ、ラージョのような相手には高い精度でボールを逃がせる選択肢は有効。

プレスにかかりはしなくても、リズムを狂わせ遅らせればどこかで糸口を掴めるラージョだから、早めにスペースへボールを動かして彼らに走ってもらう形を見せられれば良かったのだが、今節の中盤の構成ではそうしたことができなかった。

 

こうなると、狭い局面で個々のプレーヤーが頑張って相手に勝たなければならない。だが、それができずラージョの守備が上回った。

スペースを使う攻撃ができず、しかも、この強度が低かったのだから、頑張れるラージョが主導権を握れたのは当然のこと。

アンチェロッティは試合後にこの点について「ラージョが持っていた力強さが自分たちにはなかった。個人のデュエルで負けていた。」と指摘していた。

その通りというほかない。

 

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むしろ、この状態でよく2点取れたものである。

なかなかセットプレーで得点できないマドリーにしては珍しく、苦しい時にセットプレーをチャンスに変えることができた。

ペナルティはちょっとした運もあるものだが、アセンシオのコーナーからのミリタンのヘディングはとても良いプレーだった。

 

普段、シンプルに蹴り込んでもあまりチャンスにならないことを自覚しているからこそ、ショートコーナーにすることがしばしばあるのだろう。優秀なキッカーはいるのにそうなのだから、もしかすると練習をあまりしていないのかもしれない。

クロースが蹴る基本路線は変えづらいのだろうけれども、こういう試合で1点取れてしまうところを見ると、工夫すべき余地があるのではと感じる。

 

ロドリゴ、アセンシオ起用の善し悪し

ベンゼマがいないことによってロドリゴが9番起用され存在感を増しているのは善し悪しで、タイプの違うエストレーモを試合や展開によって使い分けられる強みは失われている。

バルベルデで守備的に入り、ロドリゴで勝負をかける起用法によって成功した昨シーズンのようにはなっていないのである。

 

その分今はアセンシオがそこそこやれている、という意見もあるだろう。

だが、バルベルデエストレーモでブレークした今、アセンシオならではの強みはなくなっていると言わざるを得ない。

バルベルデにはポジションを外しても帰ってくる信頼感がベースにある。それに加えて、出て行った先で前が空いたらシュートを狙うようになったことで、大きく飛躍した。

 

アセンシオもゴラッソ製造機ではあるが、いかんせん試行回数が少ない。しかも手数をかけてくれることが多いので、守備としてはやりやすい。

エリア付近でゴールに直結するプレーができるのが彼の良さなのに、バルベルデの台頭によって足りない部分が見えるようになってしまっているのが現状で、その彼がよく見えるということはチーム全体の内容が下がってきていることでしかない。

 

今はベンゼマが時間をかけてコンディションを上げているところ。

攻撃面に限って言えば、W杯後、シーズン後半に彼が万全になっていれば、(もちろんそれまでタイトル争いができていることが前提だが)多くのことが改善されるだろう。

その時に、アセンシオによって底上げされ、彼が昨シーズンのロドリゴやカマビンガのような存在になってくれることに期待しておくことにしよう。

 

守備問題とメンディ

問題がより大きいのは守備で、とにかく失点が減らない。

昨シーズンの同じ節までで13失点、クリーンシート3試合。今シーズンも同じく13失点、クリーンシート2試合で数字上は大きな差がないが、ベンゼマ不在で攻撃で苦労している中で同じように失点して支え切れていない印象が強い。

ペナルティはマドリーが得たのと同様で運もあるものだが、エリア内に入られているからこそであり、ちょっと苦しい感じである。

 

個人として指摘しておきたいのはメンディ。

バルセロナ戦の失点シーンのように、そこは絞っておいてほしいというところを放置していることが見られる。

ビニシウスのブレーク前は彼が内側を使い、中盤化して攻撃に関与することがあった。しかし、ビニシウスが独り立ちしてしまったから、今度はメンディがサポートに回ることになるはずであった。

ところが、走力はあっても彼は外のレーンで何もできず、今の彼に攻撃面でのメリットはほとんどない。

 

それならせめて守備面で盤石であってほしい。マドリディスタのそんな願いをよそに、前述のような軽い守備をするのが今の彼なのである。

 

アラバはセントラルを希望しており、最終ラインのオールマイティカードであるナチョの序列はその下と、一見メンディの序列は固いように見えるが、それはこうしたチーム事情によってであって、彼の最近のプレーが優れているからではない。

コンディション管理のためのローテーションではあると思うが、不満が出るリスクを承知しつつアラバを使ったり、何とかできるレベルのリュディガーを使ったりしているアンチェロッティの選択にもそうした含みがあるのではなかろうか。

 

今のメンディの出来であれば、今節ラージョで存在感のあったフラン・ガルシアを買い戻したいという意見が出てくるのは当然。

右はビニシウス・トビアスがカスティージャに控えている。左をカンテラーノで補い、攻撃的ラテラルを揃えるのはマドリーの伝統からいっても悪い選択肢ではないだろう。

 

最後に

W杯前は次が最後。

また変則日程で、木曜夜にカディスと対戦する。

ミッドウィークの試合が続き、さすがに息切れしてしまった感はあるが、勝ってすっきり中断期間に入りたい。

 

どうしてもアンチェロッティには前回の1月の急激なペースダウンの悪夢がついて回るので、それを払しょくするためにもここから数節は内容より結果を求めてやってほしいところである。