レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

出場時間などから見る今シーズンここまでの小まとめ

W杯でクラブの公式戦は中断期間に入った。

マドリーの次の試合は12月31日の午後の予定。年始は8日まで1週間あくが、そのあとスーペルコパで移動が決定している。

改めて、ハードな日程だ。

 

今シーズンここまでもほとんど毎週のようにミッドウィークに試合があった。

負傷者を出しつつもCLグループステージは問題なく突破、ラ・リーガで2位と、まずまずの位置につけられている。

シーズン中のW杯開催による過密日程を見据えて、アンチェロッティは開幕当初からローテーションを意識しているように見え、それが奏功した印象があったが、こうした捉え方は正しかったのだろうか。

 

出場試合数などを改めて確認して答え合わせをしてみたい。

 

 

 

あまりローテーションしていなかった

下の表はtransfermarktによるものである。

 

www.transfermarkt.co.uk

 

 

 

ここまであった21試合のうち半数以上となる11試合以上プレーしているフィールドプレーヤーは17人。また、1890分のうち、同じく半数以上となる945分以上プレーしているのは12人であった。

 

まず、このどちらにも該当していないアザール、マリアーノ、バジェホ、オドリオソラは戦力となっていないことがわかる。

 

3人交代制時代のアンチェロッティは、フィールドプレーヤーについては10人と交代枠3人プラス若干名の15人程度まででチーム運用するのが好みだった。

5人交代制となって10人プラス交代枠5人プラス若干名が同程度のラインとすると、11試合以上でプレーしているのが17人という実績から、あまりローテーションしないこれまでの彼の起用傾向から、変化は見られなかったということができる。

 

つまり、最初に述べたような、ローテーションによって過密日程を乗り切ったという印象は間違いであった。

 

理由を推測

どうしてそう見えたのか理由を考えてみると、最終ラインの組み換えが多かったことが思い当たる。

 

一人しかいない本職左ラテラルであるメンディは、特に負傷離脱がなかったにもかかわらず、出場時間は1300分あまり。

新加入のリュディガーは17試合の出場のうち交代出場が7試合ありながら、1001分。メンディとさほど大きな差はない。

信頼が厚く全試合出場し1600分以上プレーしたアラバ、右セントラルの筆頭で1300分ほどのプレー時間となったミリタン、リュディガーとメンディの4枚で左ラテラルとセントラルの3ポジションを埋めるような数字となっていた。

 

もう一つはエストレーモでもインテリオールでもやれるバルベルデの当初の配置と交代時の配置転換である。

もともとはCLで守備的に入りたい時のオプションとしてのバルベルデエストレーモ起用だったが、今シーズンは完全にその枠を超え、序列は揺るぎないものとなった。

これにより、CLで見られていたロドリゴの投入とバルベルデのインテリオールへの配置転換が普段から行えるようになって、変化が多かったように見えたのだろう。

 

ベンゼマの負傷離脱によりロドリゴを先発起用することとなって、このような起用をする際の交代枠はアセンシオのものとなったのが中断少し前のこと。

彼の出場時間は最近の実績によるもので、それ以前は3番手の扱いだったため足し合わせると控え組でも下の方の出場時間。この流れで契約延長となるかどうか、微妙なところと思われる。

 

カマビンガ伸びず

気になるのはクロースとモドリッチが相変わらず出場時間で上位にいる点と、合わせてカマビンガの時間が伸びずに下位に留まっている点。

 

カマビンガは20試合に出て、交代出場が13試合あり、プレー時間は730分。

ベテラン2名のコンディションを考慮し、どちらかは交代させることが増えてきているため出番はあるが、悪く言えば昨シーズン同様の序列から変わっていない。

 

彼は交代で出てきてインパクトを与える序列からの脱却を目指しているところ。

先発して70分程度の時間でペース配分すること、カゼミロとは違いポゼッション時でもピボーテで力を発揮している新加入のチュアメニとの住み分けができれば。

ここまではベテラン2名の調整力が大きく上回り、格の違いを示している状況だ。

 

改めてまずいベンゼマと前線の状況

バロンドーラーのベンゼマは、12試合出場。

彼の役割を考えると半分の試合しか出られていないのは非常にまずい。

彼の離脱によってロドリゴを先発起用し、中央で良いところが見えたのは確かだが、前線で実質戦力となる控えがアセンシオのみになってしまった。

 

こうした層の余裕のなさもあってビニシウスをほとんどフル出場させざるを得なくなり、中断直前はコンディションが低下。

攻撃の核が彼一人となって潰されることも増えた。

 

今朝、ベンゼマはW杯フランス代表からの離脱が発表され、3週間程度アウトと報じられた。

順調にいけば年末の試合で試運転となるかどうかくらいの離脱期間となるだろう。

本人が一番残念だっただろうが、無理せずここであっさり退いたのは、今回がどうしても最後と思っていないからかもしれない。

 

9番の控えについては、W杯で活躍したプレーヤーを中心に、冬の移籍市場で盛り上がるかもしれない。

しかし、以前述べたように、ベンゼマの離脱が長引くリスクが高くなり新加入のプレーヤーの出場機会があることが確定しないとそれなりの実力があるプレーヤーは来てくれないし、そもそも戦力外の面々のうち少なくともマリアーノともう一人くらい売却するこができないと動けない。

 

 

前者は良い話題だが、後者は想像するだに恐ろしい事態だ。

そうならないよう、ベンゼマには、こうなってしまった以上いい機会と捉え、後半戦に向けて調整してもらいたい。