■ケチがついても・・・
12月に行われた集会で、’08~’09シーズンの予算を承認させるために、カルデロン会長が不正な票をねつ造していたとマルカ紙が伝えている。不正票に利用されたのは投票する権利を持たないソシオや、そもそもソシオではない人たち。彼らに会場で承認票を入れさせて予算を通したということらしい。
カルデロン会長は初当選した2006年の会長選挙での郵送票の不正も告発されていて(jumpinさんの記事を参照)、「またケチがついた」といった印象だ。
おもしろいのは、こういった問題が伝えられてもなかなか辞任する・しないの話に発展しないところだ。
シーズン途中にトップが替わるのは余りにも都合が悪い、ということを盾にしている面もあるのだろうが。選挙での不正票問題も、今回の集会での不正票問題も、付け加えればミヤトビッチのピンハネ疑惑も、一般的に考えれば責任問題に発展しておかしくない事件だと思う。
そもそも、これほど大きな組織のトップを決める選挙なのに、選挙のたびに「郵送での投票はアリか」といったような話が出ることも不思議な感じがする。そして不正票が簡単に作れてしまうことも(カルデロンだけでなく、ペレスにも”前科”がある)。
選挙・投票のあり方についても、その後のトップの行動についての責任についても、スペインの人たちはわりと大らかなのかなと想像している。
■ペレス再び?
ペレスは2010年の選挙にロナウド獲得を持ってくるらしい。
これが事実なら、立場をとてもよく分かった戦略と言えるだろう。大きな契約を結ぶのがうまかったという自分自身へのイメージと、カルデロン会長が交渉不手だというイメージを、ロナウド獲得という共通項で対比させている感じがする。
以前のようなペレスのクラブ運営が今も通用するかは怪しいところだけれど、選挙に限れば、ビッグネームの獲得を公約として宣伝しないと当選しないような「人気投票」になっていることは明らか。
前回の選挙を振り返ってみても、多くの人にアピールできるような選手・監督が、(実現の可能性を考えず)並べられていた感が強い。挙げた選手のうち、何人かを獲得できればいいというくらいのものだ。
そして、上に書いたように、公約が実現したかどうかで(批判されることはあっても)辞めることにはなかなかならない。
政権末期に大失敗した人というイメージもまだかなり残っていると思うけれど、こういう仕組みになっている中では、ペレスのイメージはかなり強力だろうと思う。
■最後に・・・
次回はまともな候補が立ってその人が会長になればいいなとは思うけれど、表面上は「○○候補は××選手と口頭で合意している」といった報道ばかりになるのだろうと思うと、今から胃がもたれるような感覚になる。もっと他のビジョンをあれこれと伝えてくれれば良いのだけれど。
今回は”票”についてのニュースと感想をまとめてみました。(推測の部分も多いですが・・・)