レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL準決勝 vバルセロナ

第1戦は、書く気も起きないほどどうでも良い場外戦になってしまったため、スルー。とりあえず、この試合は総括として書いておきたい。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロアアルビオルカルバーリョ、マルセロ

MF:ラス、シャビ・アロンソ;ディマリア、カカ、ロナウド

FW:イグアイン

54分:イグアイン→アデバイヨル、59分:カカ→エジル

カカとイグアインが先発。基本形である4-2-3-1で挑む。

バルセロナの先発メンバー

GK:バルデス

DF:アウベス、マスチェラーノ、ピケ、プジョル

MF:ブスケツ;シャビ、イニエスタ

FW:ペドロ、メッシ、ビジャ

74分:ビジャ→ケイタ、89分:プジョルアビダル、ペドロ→アフェライ

イニエスタが復帰。ディフェンスラインは陣容が厳しいが、ポゼッションがあるので、3バック状態で対応可。

■だらだらと総括

序盤はマドリーが良かった。試合が落ち着けば、カンプノウで3点取るのは難しくなってしまうので、その前に試合を動かしたいという意図がはっきりとあった。

たまに良い位置でボールを奪えていたが、それを効率的にチャンスにつなげられない。これを改善できない限り、バルセロナの最終ラインを脅かすことは難しい。

逆に言えば、マドリーがある程度効果的に攻撃をゴール前までもっていくことができるならば、バルセロナのディフェンスラインの構成を迷わせることもできたはず。

そのためには主に2つ改善する点がある。

まずはカウンターの精度を高めること。

これは、これまで今シーズンやってきたこと、バルセロナに対して新たに取り組んだことの延長で良い。高い位置で奪えた時には確実にシュートまでもっていくこと、そしてあわよくばコーナーなどで引き続き攻撃することができれば、相手はより慎重にボールを持たなければならない。

もうひとつは、ボールを奪う位置が低かった時に、ボールを前に進める組み立ての改善だ。

これは、今シーズン結局あまり良くならなかったところで、格下相手に攻めあぐむ要因ともなっている、今のチームの攻撃における一番の問題点だ。

ゴール前での攻め方はどんな相手にも共通した課題だし、そして強豪相手の場合、中盤での激しい奪いあいも加わる。

これをかいくぐって、アタッキングサードに侵入する術を持たないと、攻撃の開始位置が低い時点で期待が持てず、相手には恐怖感もなくなる。

具体的には、最終ラインとピボーテからの配球、またそれを助ける前線の動き。

裏を狙っていく動きもありながら、中盤に降りてサポートする動きもなければ、結局のところロングボール頼みになりがちで、チャンスになる確率はぐっと落ちる。

もちろん、うまい選手を加えることも解決策の一つではあるが、前線とのかみ合わせが悪ければどうしようもない話で、サポートに行く、パスが回る、空いたスペースに出ていく、というあたりがしっかりされれば、現状のチームでも大分改善されるだろう。

とにかく、ボールホルダーに任せることなく、助けに行ってあげること、その動きをうまく使うこと。これがバルセロナと大きく差が付いている問題点だ。

今日の最終ラインは、本当によく凌いだ。カシージャスも久しぶりにたくさん仕事をしたように思う。

特に、人数が足りなくなりそうな時に、何とか守りきってきた精神力は素晴らしく、誇らしいものだった。

だが、こういうリスクを負いたくない気持ちは、モウリーニョならずとも持っている。

そこで、モウリーニョはペペシステムでバルセロナに挑むことにした。リーガ、コパでみたとおり、リトリートするやり方と前に出ていくやり方があるが、どちらにせよ、奪ったボールをどうするか、というところまでは達しておらず、その点で発展途上であり、これから良くなる部分も大いにあるところでもある。

結局、ためにする守備ではいつまでたっても攻撃には繋がらない。このメンバーでそれでは意味がないのだ。

攻撃のための守備を作り上げることが本当に重要で、これができればチームとしての攻撃のバリエーションはもっと増えてくる。そのあたりは2年目に期待するほかないだろう。

何度もリセットを繰り返し、いつまでたっても2年目が見られない、ここ数シーズンのオフにはうんざりだ。

ペジェグリーニが解任された時、「モウリーニョなら、最初がダメでも2年目を任せるのはおかしい」と書いた。その気持ちは今も変わらない。それならば、もっと前に2年以上マドリーを任せるに足る監督がいたはずだ。

だが、ここに至って意地を張り、結局振り出しに戻すのもまたクラブのことを考えな発想だろう。

モウリーニョはやはり、有能ではあるが、面倒を引き起こす存在であるという評判に違わない監督だ。

判定の問題は、彼がいるとなおさらクローズアップされるし、毎週のようにピッチの外で騒がしくなってしまう。

だが、バルセロナに対し、判定で結果が変わってしまうような、そういう僅差の勝負をすることができるまでのチームに1年で仕立て上げたことは、確かに認めておかなければならない功績であろう。

バルセロナに限らず、CLでは、実際のところそれほど差はないのだ。本当に些細なことで勝敗は決まる。ディテールまで完成されたチームが、最後まで生き残る。

その点でマドリーはまだまだこれからのチームであったし、引き出しをもっと持っておかなければならないチームでもあった。

一つだけ具体的に言おう。高さを生かした攻撃に徹するような潔さを持つべき場面がでてくることは、これまでの経験から明らかだ。

その時に、アデバイヨルは自分の役割を認識できていないし、チームとしては明確な方針を持って、この時間は高さで何とかする、というやり方を貫くことが大事だ。

カウンターを狙う、ダメなら繋ぐというコンセプトはしっかりする。だが、プラスアルファのやり方を持てるのは、柔軟なマドリーだからこそできることだ。

ディテールの詰め、様々な相手に対する引き出し。

このあたりを今後の”ほぼ決定的な”リーガの消化試合やオフ、来シーズンに期待する。

それができなければ、モウリーニョには、騒がしいだけの人物としてお引き取りいただこう。

CLで準決勝まで勝ちあがって見えてきた課題。

せっかくの経験だ。来シーズンに向けて、悔しさとともにしっかりと克服し、有無を言わさぬ勝利を目指してもらいたい。