何とか持ちこたえて勝ちを拾ってきたマドリーだが、ここで遂に勝ち点を落とした。失意の内容となった試合を振り返る。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;ディマリア、エジル、ロナウド
FW:ベンゼマ
45分:ケディラ→モドリッチ、エジル→カカ、64分:ディマリア→カジェホン
予定通りのメンバー。今のモウリーニョのファーストチョイスはこの形。
■ベティスの先発メンバー
GK:アドリアン
DF:アンヘル・ロペス、アマジャ、ドラド、マルティネス
MF:カニャス、ベニャト;アグラ、サルバ・セビージャ、フアン・カルロス
FW:ルベン・カストロ
64分:フアン・カルロス→ホルヘ・モリーナ、77分・アンヘル・ロペス→ナチョ、81分:sルバ・セビージャ→ノサ
ベニャトはピボーテの位置で攻撃を作る。フォワードはここまで6得点のルベン・カストロ。
■おなじみの敗戦パターン
いったい何度この形での敗戦を喫すればマドリーは変わるのだろうか。引いた相手に手詰まりになり、無理なドリブルが多くなって不用意なボールロストを重ね、流れを失う。
攻撃に成熟はなく、ただただだれていっているように見える。シャビ・アロンソが長いボールを使ってパスを捌いても、その後の展開が見えず、ディマリアとエジルは何も起こせなかった。
こういう試合での攻撃の質を上げるためのモドリッチのはずだし、彼がいようがいまいが、マドリーはリーガで引かれた相手をどう倒すかが長い間の課題だったわけで、前半からであっても何かの進歩が見られなければいけないはずだった。
それを何の改善も見せないまま時間を過ごすとは。
ボールを持ち上がれるのはディマリアだけだったわけだが、彼にしても以前からのパターンの少なさが改善されたわけではない。
単調に、淡々と攻撃を失敗し続けたという印象しかない。
守備組織を整えて、カウンターを磨いて、ボールを持っての攻撃にようやく手をつけたばかりという言い分はあるだろう。
しかし、それにしてもオフからもう4ヶ月も経っている。今までやってきた成果が見られない、というよりも、積み上げているものは今のところないということなのだろう。
守備面では確かなものを見せていたが、失点の場面はいかにも流れがないチームがやるような、適当に中に戻すクリアというポカがきっかけ。最後はベニャトが素晴らしいドルシュートを叩き込んだ。
スコアレスで引き分けるよりも、こういう敗北を喫した方が、今のマドリーには薬になるかもしれない。
今のマドリーは、得意なカウンター主体のゲームを作ることもできないし、不得手なポゼッションを克服できそうな気配もないのだ。
これではCLに集中したところで、頂点までたどり着くことなど出来ないだろう。
よくやったけれどダメだった、というのなら仕方ない。
だが今は、目指していたはずの所へ向かって進歩をすることもできず、出来るはずのこともできない状態に陥ってしまっている。
まずは自分たちができることに立ち戻るしか、現状を脱するチャンスはない。
これまでシーズンを戦ってきて、これだけしか得るものがなかったことに、大きな失望を感じている。